セントジェームズパレスS

まあ普通に、グランプリボスが勝つ光景が思い浮かばない。
これは相手云々ではなくて(確かにfrankelは強いのだろうが)、距離と馬場と坂といったレース形態の問題で。
相手がどうであろうと、グランプリボスは強い。少なくとも日本の競馬場のマイル以下においては。
血統的はサクラバクシンオーサンデーサイレンスsecretariat。「サクラバクシンオー 傾向」でぐぐったらこんなの出てきた。
http://blog.livedoor.jp/horserace_wiki/archives/51933037.html#
1300m以下が良くて、芝が若干ダートより良い、馬場状態はほぼ不問。函館・福島・小倉で抜群の成績。逃げ先行型。斤量はよっぽどでなければ苦にしない。坂についてのデータははっきりせず。
グランプリボスは1600のG1を2勝している時点でそういったデータを無視した馬である。
まあいい、ボスは1600まで持つとしよう。ところで1マイルは1609m。たかが9mされど9m。そしてロイヤルアスコットは完全な丘。歴代の走破タイムは1分39秒台がほとんど。さて、ボスにそれだけのスタミナがあるやなしや。
ボスは東京と中山の1600を勝っている。つまりゴール前の坂を駆け上がるだけの力を持っているといえる。あくまで、坂であり、丘ではないが。
レースが1400mであれば勝機はある。しかし1600では厳しいのでは。相手はスタミナ充分のマイラーなので、切れ味勝負にいかにもって行くかが大事。その意味ではfrankelが暴走せずにペースメーカーがゆっくりとレースを作ればむしろ勝機があるかもしれない。frankelが程よく逃げたら多分勝てない。大暴走したら他の馬との力関係でどうなるかだが、敵地での地力勝負になると厳しいのでは?
しかしこう書いておきながら、バクシンオー産駒の勝ちパターンは基本的に先行して粘る、であることを考えるとこの戦法ではそもそも力を発揮できない可能性もある。また、日本馬はスタートが良い(あのディープですらスタートしたら前にいたくらい)ので気づいたら先頭に立っている可能性も否定できない。グランプリボスがfrankelやペースメーカーを抑えて逃げてしまって最後の直線でずるずる沈む姿が想像できる。であればいっそ、frankelにもついてきてもらって2頭でコーナーまで後続20馬身くらい離したマッチレースしてもらったほうが見ているほうは楽しいかもしれない。
frankelの逃げに真っ向立ち向かって惨敗する競馬と、そつなく競馬してなんとなく3着くらいでゴールする競馬のどっちを見たいかといわれると、サクラバクシンオー産駒ならいっそfrankelと真っ向スピード勝負して来い、着順なんて関係ない、くらいな気持ちで応援してる人が意外にいるんじゃないかと。そしてそれは決してグランプリボスの汚点にはならないと思われる。

青写真1。スタートして一瞬先頭にたったあとしっかり折り合って、ペースメーカーを先に行かせて2〜3番手、frankelはたぶんグランプリボスのスタート時のスピードに合わせて飛び出してしまうであろうからペースメーカーも追い越して2000ギニー再現。コーナー曲がるところまで後続10馬身、有力どころは共倒れを恐れてさらに5馬身以上後方、直線入ってfrankelちょっと足色鈍って残り200mで5馬身、後続追いついてきてほぼ横一線、でもそれ以上は後続も切れる足を持たず、そこからグランプリボスにやっと鞭が入ってfrankelにラスト50mをきったところで追いついてそのままゴール。
青写真2。スタート同じ。frankelが好位に控える。たんたんとレースが進みグランプリボス2番手、frankel6番手くらい。グランプリボスがコーナリングで先に(追わずに)抜け出して後続を3馬身くらい引き離す、frankelまくってボスを一旦追い抜くも残り100mの平坦を活かして2の足使ってボスが粘りきる。

あくまで青写真。ただ、基本的には相手がどう動こうと、直線200〜300mの勝負に徹するのがグランプリボスにおける能力を最大限に発揮する戦法であるが、正攻法で勝てるレース条件(相手関係と関係なく)ではないというのも多分正論。