2015ダービー

今年の春は明らかにキンカメに風が吹いていたが、

東京開催あたりから風がやんできている印象。

先週のオークスの結果からも、ディープが一番手。

ダービーは比較的傾向がはっきりしていて、

ディープ、ステイ、ハーツ>キンカメ(キングマンボ系)>(ブラックタイド?)>その他

その他には、比較的マイナー血統で強い馬か、穴。

従って、今年は

ディープ:サトノラーゼン、ポルトドートウィユ、リアルスティール

ハーツ:ベルラップ

キンカメ:レーヴミストラル、ドゥラメンテ、ミュゼスルタン

ブラックタイド:コメート、キタサンブラック、タガノエスプレッソ

その他:サトノクラウン(過去に出走例がない父系だが自身の成績が良い)、穴としてはミュゼエイリアン(母父エルコン:キングマンボ系)、タンタアレグリア(2400での成績が比較的よく母の繁殖成績が良い)

 

ここまでの成績から実力、距離適性的に問題ないと思われるのは、

ディープ産駒3頭とレーヴ、ドゥラの5頭。

ポルトドートウィユは母父クロフネというのが良い。クロフネは明らかなフィリーズサイヤーなので、クロフネを母父にもつ強い馬は高い確率で良いX(性染色体)を持っているはず(従ってポルトドートウィユはもし繁殖入りすればフィリーズサイヤーになる可能性あり)。リアルスティールはディープの当たり配合。サトノラーゼンが血統的には一番押せないが・・・。

レーヴは母の繁殖成績がよく、ここまでの成績も比較的良いが、クラシックでは少し足りないキンカメに更に何かを追加、という部分が昨年のトゥザワールド同様ない。一方でドゥラはそこをトニービン(と言うかエアグルーヴ?)でおぎなったのであろう。

リアルスティール、ドゥラメンテ、ポルトドートウィユの順だが、福永がダービー勝てるかなあ・・・。

これ以下は馬だけでは絞りにくいので、騎手で絞って岩田、蛯名、川田、横山、ルメールあたり。

サンデーサイレンスの遺伝子

もしかしたらサンデーサイレンスは何らかの遺伝子の突然変異を持ち、それが産駒の類まれな能力につながっている可能性がある。
ここではそれをSS遺伝子としよう。
SS遺伝子はサンデーサイレンス自身は1本しか持っていないはずなので、SS/N (normalの頭文字でNとする)とあらわす。
すると、産駒は1/2の確率でSS遺伝子を受け継ぐ。
したがってサンデーサイレンス産駒は1/2の確率で能力をもつことになる。
現実には負の遺伝子や、他の能力の関係もあるので確率は当然下がるが、だがG1を勝つほどの馬はこの遺伝子をほぼ持っているといえよう。
常染色体優性遺伝はきわめて強い遺伝形式なので、SS系種牡馬が高い種牡馬成績を上げることは想像に難くない。すなわち、優秀な種牡馬の父としての条件としてはこれ以上ない遺伝形式である。

血統論雑記2

なぜC/T型の話を長々としたのかは、2つの理由がある。
ひとつは、この型そのものが馬の能力に直接的に影響があること。
もうひとつは、似たような形で産駒に能力を伝える遺伝子がほかにもある可能性があること。
ミオスタチンが筋肉量を調節する遺伝子であることは馬だけの話ではない。
そもそもそうであるからこそ馬で調べてみた、というのが本来の流れであろう。
イントロンの変異がなぜ影響するのかは不思議ではあるが・・・。
もうひとつ、筋肉量が少ないほうが長距離適正がある、というのもよくわからない理屈で、
普通であれば速筋と遅筋との関係になるのだが。

Dawn Approach

C/Cであるとのこと。
この馬はnearcticをクロスさせているので、これはOK。
このことは以下のことを示している。
3.ノーザンダンサーサドラーズウェルズ、ガリレオ、ニューアプローチはCを持つ。
C/Cかも知れないが、自身の成績からはこれらは基本的に全てC/Tであろう。
4.同様に、フォーントリック、クレバートリック、アイスアカペイドはCを持つ。
ところが、
http://www.jairs.jp/contents/w_news/2012/11/4.html
ここに、「私たちはドーンアプローチの母ヒムオブザドーン(Hymn Of The Dawn)がスプリントタイプ(C:C)であることも、
交配させたニューアプローチ(New Approach)が中距離タイプ(C:T)であることも認識していました。」
とある。
nearcticがC/Tであればこれは問題である。C/Cであれば問題はない。
なぜなら、nearctic以外にもCを持っている馬がいるということになるからだ。
さて、その馬はどの馬だ??
仮説は3通りである。Colonial Debutは、
nearcoからCを受け継いでいる。
native dancerからCを受け継いでいる。
実はキアズマ(交叉)。
native dancerの成績からはこの馬がCを持っていた可能性は十分にあると思われるが、
筋から言えばnearcoが持っていた、と考えたほうが通りやすい感がある。

http://www.jairs.jp/contents/newsprot/2012/11/1.html

原本読んでないのでまどろこしい。というか、読んだ人にはこの話、無意味だな。
「その分析研究の結果、Cタイプの遺伝子変異体を最も高い頻度で持っている馬としてシェトランド種が見つかった。
 シェトランド種は、サラブレッドの公式の誕生以前の卓越した競走馬であった英国の在来馬の種類である。
 CタイプおよびTタイプの遺伝子変異体の周囲の染色体の相違を比較し、研究者は11の異なるTタイプの遺伝子変異体に対してCタイプ遺伝子を1つだけ見つけたが、
これは、“スピード遺伝子”が1回だけサラブレッドに入り込んだことを意味する。
 この結果は、最初の“スピード遺伝子”変異体が1頭の牝馬からサラブレッドの血統に入り込んだ可能性を示しています。
そしてその1頭は、サラブレッドが公式に誕生する前で英国の在来馬が競走馬として卓越していた、
約300年前における1頭の英国牝馬である可能性が非常に高いのです」とヒル博士は述べた。」
上記引用。
300年前という言葉は、シェトランド種がサラブレッドに入り込んだ時期はそれくらいまえでなければありえない、いう意味か?
Cの遺伝子は1頭由来である、というのは上記内容からは信頼性は比較的高そう。
1頭、あるいは、1頭のシェトランド種のかなり近い近縁であろう。
シェトランドってポニーか。

http://www.b-t-c.or.jp/btc_p300/btcn/btcn89/btcn089-05.pdf

遺伝子で馬の能力を語るためには、まず、ここから入らねばならないのでこの話をもう少し掘り下げる。
「ミオスタチン遺伝子の第一イントロンにある「g.66493737C/T」というDNA 多型が原因となっています。
これは、18 番染色体の先端から数えて66,493,737 番目のDNA に「C(シトシン)」と「T(チミン)」のDNA多型が存在することを意味しています。
そして、この「C」と「T」の組み合わせにより、集団中に、上記の3 種類のタイプが遺伝的な違いとして存在します。」
上記より引用。
さて、上記引用文献には気になる書き方がされているところがある。
ので、natureの原本を見たかったのだが、freeじゃないので見えなかった…。
それは、nearcticがC/Cであった、と示していることだ。
C/C型であるかどうかは、両親からCを1本ずつ受け継いでいるかどうか、で決まる。
したがって、nearcticがC/Cであったとしても、牝馬側がT/Tであれば、その子供は必ずT/Cになる。